展覧会カタログミュンヘン オープニング・セレモニー
 第4回 卒業設計・修士制作展

坂本 一成(昭和41年卒/本学建築学専攻 教授)

 去る平成17年7月8日〜23日、東京工業大学建築学科・大学院建築学専攻の4回目の卒業設計・修士制作展が開催された。この展覧会は東京工業大学百年記念館1F展示ホールを会場として、平成16年度大岡山建築賞受賞作品、優秀作品、修士制作の計12作品(ka029に掲載)が展示された。

 平成14年より、卒業設計.修士制作を学内での発表のみでなく外部に向けてより公開的なものにしようという意向から、東京工業大学百年記念館1Fホールにおいて卒業設計・修士制作展を開催する試みがはじまった。昨年にひきつづき本年も、展覧会を行うことで学生の設計に対する意欲の向上や、さらには卒業設計の完成度を高めたいという主旨のもと、主催:東京工業大学工学部建築学科・建築学専攻、後援:TIT建築設計教育研究会による開催に至った。なお展覧会の会場構成・設営および宣伝活動は、受賞者を中心とする卒業設計展実行委員会が行った。会場に関しては、例年の展覧会における展示作品をキャットウォークから吊るすという百年記念館の空間を生かした展示方法を引き継ぎ、今回は、更に大判となった模型写真と図面による展示であった。来訪者は昨年より約300人増え、1270人を越える人数となった。昨年度に続いて東京工業大学内の他学科の学生の来訪が増したばかりでなく他学科の教員の来訪も目立ち、学内における建築学科の動向への注目度が高まっていると言える。また他大学や企業などからの学外の方々も多く、学外からのこの展覧会に対する関心が高まっていることを裏付けた。また今年度より建築学科・専攻の機関誌である華「Ka」が年間号となり、この展覧会での販売部数は100部を越えた。今後も展開されるであろうこの展覧会が、学生の卒業設計に対する意欲の向上とその成果の公報に有意義なものになることを期待したい。