Yasuda Koichi Laboratoty. TIT Department of Architecture & Building Engineering

 About Yasuda Laboratory

 安田研究室では「良い建築がどのように生まれていくか」を主題として研究し、具体的な建築を設計しながらその理論を試行していくことをめざしています。すなわち、建築がどのような都市・環境条件のなかで、どのような設計プロセスを経てその技術が採用されているか、またその時代背景として社会的なシステムのかかわり等を探求することによって建築の成立過程を解き明かそうとしています。現在、建築を取り巻く環境や状況は多岐にわたり、一元的に表現することが困難な時代になっています。現在のこの状況を相対化させて考えるためには、一見建築とは無縁に見える分野の動向をも含めより広範な知識を学ばなければなりません。その上で、より深い思想や概念が宿ると考えています。その探求には定まった方程式などはなく、どのように切り込んでいくかは個人に委ねられますが、本来建築はさまざまなプロフェッショナルの恊働作業の産物であるため研究室の先輩や仲間と一緒に考えていくのも重要であると考えています。基本計画から工事に至るプロセスの中でも一貫した建築の概念形成や、建築主・様々な設計者・施工者の関与のタイミング、実体化された建築に現れる接合部や平面や壁面のコーナーのディテールなどの研究を通じて、たとえば、どのように新しい光や空気の質といったものが生み出されるかに興味を感じます。

 これまで研究室で継続的に行われてきた具体的な研究としては以下のようなテーマがあります。学生は研究室での活動を通して養った各自の「思想」を「言葉」にし独自の研究テーマを見つけていくことが望ましいと考えています。 「美術館・博物館・水族館等の展示建築研究/設計」「大学キャンパス計画及び施設計画研究/設計」「東京の商業地域における街並み研究」「現代日本におけるコートハウス研究」「サステイナブル建築研究/設計」「リノベーション・コンバージョン建築研究/設計」「設計プロセスと技術統合研究」「建築士を取り巻く社会システム研究」「多機能ファサード・デザイン研究/設計」「ディテール研究/設計」「建築系プロダクトの開発・助言/デザイン」等。

 また、設計については2004年より「東工大大岡山キャンパス・マスタープラン2005」作成に携わるとともに「東工大本館前プロムナード」「緑が丘1号館レトロフィット」「東工大附属図書館」等の建築プロジェクトに参画してきました。また、学外でのプロジェクトでは「東急大岡山駅上東急病院」や、「西麻布の住宅」「cellular」等の実験住宅などの様々なタイプの建築設計・監理に関わってきました。

 研究室には20名ほどが在籍し、週に一度ゼミを行っています。毎年、学会では論文発表を行っています。世界各国から多くの留学生を受け入れ、英語を交えながら活発な議論が行われています。安田研究室の活動はプロジェクトや研究を通して積極的な提案と責任感が求められます。