建築学科の近況  

八木幸二 昭和44年卒(2003.2)

 2004年度の独立法人化に向けて、大学全体が変革期です。何からの独立なのか、国の財政からでもなく、文科省の支配からでもなく、順調に進んでいるのは決定の迅速化と称して執行部の独立と独走のようです。

 建築学科では実質的な変革を目指して、2002年度の外部評価を受けました。その時の目標の一部を紹介しますと、

1 教育面では、大学院において、研究者やプロフェッショナル・エンジニアを育成する建築学コースと、アーキテクトを育成する建築デザインコースを設けて、自立・連携させるとともに、学部教育をその予科と位置付け、JABEE、UIA、APECアーキテクトへの対応をはかる。

2 人材面では、実務に精通した人材を教官に迎え、任期制や兼業を可能にする。

3 学術研究面では、若手研究者の育成とその研究環境整備を早急に行う。

4 産学連携、社会的貢献、国際交流などの推進をはかる。

などでして、2003年夏の大学院入試から、建築学コースと建築デザインコースを分けて行います。それに伴い、2004年度からは授業内容もコースによって選択できます。また、2002年の10月には日建設計から安田幸一さんが、2003年の1月からは新日鉄から竹内徹さんがそれぞれ助教授として大学に戻られ、実務に精通した、産学連携の人材を得ました。社会的貢献は仙田教授の建築学会長など各々の教官が行っていますが、学生の卒業設計も2002 年の春から百周年記念館で公開展覧会をするようになりました。国際交流と言う点では、欧米からの留学生が一番多いのは建築学科でして、留学する学生が多いのも特徴です。また、ミュンヘン工科大学、ヘルシンキ工科大学、メルボルン工科大学などとの共同スタジオも試行しています。

ミュンヘン工科大学とのインターネット授業

 とは言え、大きな問題はなかなか解決できません。それは教育・研究環境の貧弱さでして、大学のキャンパス計画、建物設計がどのように行われているのかとも関係しています。建築学科としては独立法人化を機にもっと参加できるよう働きかけています。石川台地区の再開発がほぼ完了し、今度は緑が丘地区という話があり、2002年には坂本先生を中心に緑が丘の将来構想をまとめました。

最後に、昨年から優秀学生に冬夏賞を授与して頂くようになり、御礼を申し上げます。

卒業設計修士制作展

 

卒業設計修士制作展